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11  研究成果の抄録

11.2 学会発表

肺結核患者の治療成績に関連する要因 第60回日本公衆衛生学会総会 抄録集p797,2001.10  高松市

兵庫衛生研・疫学情報部  沖    典男 結核予防会結核研究所  山下  武子 森      亮   予防と治療を基本とする結核対策の中で,発見した結 核患者を完全に治癒させ,新たな感染を防止することが 現在最も効果がある対策と考えられる.本研究では,1991

〜1998年に兵庫県(神戸市を除く)で新規登録された肺 結核・喀痰塗抹陽性・初回治療患者2,762例を対象とし て,患者の背景要因と治療成績の関連性を分析した.そ の結果,性男,年齢60歳以上,職業教員・医師等または 無職,合併症ありが治療成功の阻害要因であり,同居家 族あり,治療内容HRZ+SEまたはHR+SE,初回保健指 導本人が治療成功の促進要因であることがわかった.し たがって,治療成功阻害要因を持つ患者の早期発見対策,

患者本人への初回保健指導の徹底,適正な治療方法の徹 底,等が治療成績を改善するために必要である.

感染症警報システムの検討 第60回日本公衆衛生学会総会 抄録集p787,2001.10  高松市

兵庫衛生研・疫学情報部  山本  昭夫 沖    典男 厚生省で開発された感染症発生動向調査の警報システ ムについて,保健所単位での活用の妥当性を近畿地域に おける1993年から1997年の5年間のデータを用いて検 討した結果,非常に定点数の少ない保健所が半数以上を 占めること,定点数の少ない保健所ほど警報発生頻度が 高くなる傾向がみられた.したがって,警報システムを 地域で活用するためには,定点数を増設する,警報発生 の地域の単位を広げる等の検討が必要であることが明ら かにされた.

食事パターンを指標とした近年における食事摂取の推移 第60回日本公衆衛生学会総会

抄録集p834,2001.10  高松市

大阪市立大学大学院医学研究科  伊達ちぐさ

福井    充 国立健康・栄養研究所  吉池  信男 岩谷  昌子 松村  康弘 田中  平三 東京医科歯科大学難治疾患研究所  横山  徹爾 兵庫衛生研・疫学情報部  山本  昭夫 兵庫県S郡の無作為抽出された住民2384人を対象に,

1990年代を前・中・後期に分け,それぞれ24時間思い 出し法により食事調査を実施し,因子分析により分類し た食事パターンを比較した.その結果,伝統的食事因子,

近代的食事因子,健康志向的食事因子等の5因子が抽出 され,1990年代の10年間に伝統的な食事パターンが減 少し,近代的な食事パターンが増加したことが示された.

Risk assessment of Salmonella Enteritidis infection associated with raw egg consumption at home in Japan

第9回天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR) 有毒微生物国際シンポジウム

2002.3  東京都

国立感染症研究所  春日  文子 兵庫衛生研・疫学情報部  山本  昭夫 高知医科大学  岩堀淳一郎 国立動物衛生研究所  筒井  俊之 東京都立衛生研究所  藤川    浩 国立公衆衛生院  湯ノ川俊彦 東京大学  熊谷    進 国立感染症研究所  広田  雅光 山本  茂貴   日本人での暴露アセスメント,データ分析での数学的 テクニック,結果の確率分布の枠組みを示すことにより,

微生物の定量的リスクアセスメントを日本に紹介しよう と考え,家庭における生卵摂取によるサルモネラ・エン テリティディス感染のリスクアセスメントを試みた.そ の結果,家庭における生卵摂食に伴うサルモネラ・エン テリティディス感染患者数は,平均126,934人と推定さ れた.流通・貯蔵段階に関して仮定した3種類の対策は,

結 果 に ほ と ん ど 影 響 を 与 え な か っ た .Sensitivity

analysisの結果,患者発生数に大きな影響を及ぼすのは,

汚染卵中のサルモネラ・エンテリティディス菌数,鶏群 汚染率,鶏群内汚染率であり,いずれも生産段階の要因 であった.

生鮮野菜からのクリプトスポリジウム・オーシスト の検出方法

第22回日本食品微生物学会学術総会

要旨集p80,2001.10  大阪市

兵庫衛生研・微生物部  小野  一男 増田  邦義 兵庫県予防医学協会  木田  吉人 塚原八重子 東塚  伸一 前島  健治 ひょうご環境創造協会  鈴木  裕規 山本  昇五 日本油料検定協会  谷口日出二 神戸大学医学部  宇賀  昭二 野菜からのCryptosporidium oocystの検出方法を確立 するため,実験的にC. parvum oocyst(CPO)を食品に付 着させ,各種洗浄液について添加回収率を比較し有効性 を検討した.その結果,0.1% Laureth 12−0.1% Gelatin添加PBS洗浄液が61.4%と最も良好な添加回収 率を示したこと,また施設間におけるクロスチェックに おいて良好な添加回収成績を得たことから,本洗浄液を 用いた洗浄濃縮法は生鮮野菜からのCPO検出方法とし て有効であると考えられた.

クリプトスポリジウム症・ジアルジア症 第41回近畿医学検査学会 抄録集p57,2001.10 神戸市

兵庫衛生研・微生物部  小野  一男 辻   英高 増田  邦義 Nepal Medical College  Shiba Kumar Rai

神戸大学医学部  宇賀  昭二 環境における腸管寄生原虫の汚染実態を知るために,

1999年7〜9月の期間に,兵庫県の西播磨,但馬および 淡路の3地域の主要水道水源13河川の69地点の検水に ついて,免疫磁気ビーズ法を用いてCryptosporidium parvum oocyst (CPO)およびGiardia intestinalis cyst (GIC)の検出を行った.その結果,CPOは13河川中9 河川(69%) ,69採水地点中38地点 (55%) から,また,

GICは13河川中5河川 (38%),69採水地点中9地点

(13%) から検出され,これら原虫がわが国の環境中にも

広く分布していると考えられた.

  水道原水からのCryptosporidium parvum oocyst   の検出

第57回日本寄生虫学会西日本支部大会・

第56回日本衛生動物学会西日本支部大会 要旨集p 29  2001.10  岐阜市

兵庫衛生研・微生物部  小野  一男 辻   英高

増田  邦義 兵庫衛生研・所長  川村    隆 Nepal Medical College  Shiba Kumar Rai

国立感染症研究所  遠藤  卓郎 神戸大学医学部  宇賀昭二 1998と1999年の7〜9月の期間に,兵庫県全域の主 要水道水源18河川・156採取地点の検水から免疫磁気ビ ーズ法を用いてCryptosporidium parvum oocyst (CPO) の検出を行った.その結果18河川中13河川 (72%)から CPOが検出され,地点別の陽性率は47% (74/156)であり,

汚染が広い範囲に広がっていることが明らかになった.

また,流域別の陽性率は,上流域37%,中流域46%,そ して下流域54%と下流域に行くに従って高くなっており,

上流域で生じた汚染の影響が下流部にまで及んでいる事 を示していると考えられた.

Cryptosporidium- and Cyclospora- associated diarrhea in Kathmandu in Nepal

A Major International Conference on Cryptosporidium. Cryptosporidium - From Molecules to Disease. p 29

2001.10 Fremantle, Australia

兵庫衛生研・微生物部  小野  一男 辻   英高 増田  邦義 兵庫衛生研・所長  川村    隆       前澤工業  木村  憲司       神戸常盤短期大学  石山  聡子      Nepal Medical College  Shiba Kumar Rai       摂南大学  金子  光美       東北学院大学  石橋  良信 1996〜2000年の期間にネパールのカトマンズ市の下 痢症患者糞便737検体について,ショ糖浮遊法と位相差 顕微鏡観察法によりCryptosporidium parvum oocyst  (CPO) とCyclospora cayetanensis oocyst  (CCO) の検 出を行なった.形態学的確認試験として,蛍光抗体法,

微分干渉顕微鏡観察法および蛍光法を行なった.その結 果,CPOとCCOの検出率はそれぞれ2% (8/334)と11%

(47/403)であった.年齢別検出率はいずれも3〜5歳の小 児が最も高く,季節別検出率はいずれも夏季が最も高か った.

B型肝炎ウイルスの院内感染により 集団発生した劇症肝炎 第42回臨床ウイルス学会 抄録集p.S47,2001.6  名古屋市

兵庫衛生研・微生物部  近平  雅嗣

藤本  嗣人 平成11年に県下の医院で透析治療を受けていた患者7 名が劇症肝炎を発症しそのうち6名が死亡した.6名の 劇症肝炎患者と4名のB型肝炎ウイルス(HBV)キャリ アーの透析患者の血清から,HBV 遺伝子(コアプロモー ター〜コア領域,S領域)をPCRで増幅し,それらの塩 基配列を決定すると共に,S 領域をクローニングベクタ ーに導入し,増幅 DNAのクローニングを行った後その 塩基配列を決定した.その結果,6名の劇症肝炎患者と1 名のキャリアー由来のウイルス遺伝子が完全に一致し,

この配列は他の3名のキャリアー由来のHBVのそれと は異なっていた.このことから,劇症肝炎患者は特定の キャリアー由来ウイルスに感染したものと考えられた.

生食用カキの小型球形ウイルス(SRSV)汚染調査と その喫食者からのSRSVの検出

平成13年度日本獣医公衆衛生学会(近畿) 要旨集p113,2001.10  大阪市

兵庫衛生研・微生物部  近平  雅嗣 押部  智宏 兵庫衛生研・食品薬品部  西海  弘城 赤穂健康福祉事務所  池野まり子 兵庫衛生研・環境保健部  北本  寛明 赤穂健康福祉事務所  山下    正 県下で養殖されるカキのSRSV汚染を調査すると共に,

生食用カキによるSRSV感染の可能性を探る目的で,生 カキ喫食者からのSRSV検出を行った.カキは2海域で 定期的に採取し,A海域では11検体中5検体が,B海域 では10検体中1検体がSRSV陽性となった.A海域産 のカキ喫食者2名中1名から1度だけSRSVが検出され,

B海域産ではSRSV陽性となったカキを喫食した3名中 2名からSRSVが検出され,その内の1名が嘔吐下痢症 を発症した.これら喫食者から検出したウイルス遺伝子 の塩基配列は喫食したカキからの検出遺伝子と一致し,

全員がカキ由来のウイルスに感染したものと考えられた.

エンテロウイルス 71 型による脳炎死亡事例を  含む手足口病の流行 

第49回日本ウイルス学会 抄録集p208,2001.11  大阪市

兵庫衛生研・微生物部  藤本  嗣人 近平  雅嗣 神鋼加古川病院  吉田    茂 国立感染症研究所  長谷川斐子 進藤奈邦子 国立公衆衛生院  西尾    治

手足口病と中枢神経系疾患を併発した流行(死亡例と 麻痺後遺症を残す各1例を含む)が2000年6〜8月に兵 庫県の一地域で発生した.エンテロウイルス71型(EV71) の分離陽性は12名中7名, EV71遺伝子は8名(死亡例 1名を含む)で,計10名 (83%)がEV71陽性となった.

RT-PCRの増幅DNA (VP4領域)の遺伝子配列は, EV71 (GenBank AB051323)と201/207 base (97%), アミノ 酸に翻訳すると69/69 (100%)一致した.

滋賀県で分離されたエコーウイルス18型の VP1領域の遺伝子解析

第49回日本ウイルス学会 抄録集p208,2001.11  大阪市

滋賀県立衛生環境センター  吉田  智子 大内  好美 林    賢一 滋賀県薬事指導所  横田  陽子 兵庫衛生研・微生物部  藤本  嗣人 富山県衛生研究所  松浦久美子 滋賀県立大学  山田    明 国立感染症研究所  吉田    弘 エコーウイルス18型 (E18)について,遺伝子変異を 明らかにし,E18 の流行について疫学的な情報を得るこ とを目的としてVP1領域およびVP4-VP2領域の塩基配 列を解析した.その結果,E18 は抗原性に関連があると されるVP1領域ならびにVP4VP2領域の分離年や分離 地域による遺伝子変異が少なく,抗原変異が起こりにく いと考えられた.E18の流行には,流行を経験していな い感受性者の蓄積が重要である可能性が高い.

兵庫県における過去8年間(1993〜2000年)

のエンテロウイルス検出状況とその流行周期 第38回近畿地区ウイルス疾患協議会研究会

抄録演題No.1,2002.2 京都市

兵庫衛生研・微生物部  藤本  嗣人 近平  雅嗣 増田  邦義 神戸学院大学  楠田    均 岡藤小児科医院  岡藤  輝夫 兵庫県立塚口病院  芥川    宏

公立豊岡病院  吉田  真策 かわい子どもクリニック  河合    徹 神鋼加古川病院  吉田    茂 国立感染症研究所  長谷川斐子 吉田    弘 国立公衆衛生院  西尾    治

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